先月1ヶ月間の日本滞在はとても有意義なものだった。記憶に新しいのは大学時代から組んでいる木管五重奏の演奏会。昨年3月に行ったデビューコンサートから1年、メンバーはそれぞれの場所で鍛錬を重ね、個々を見ても、アンサンブルとしても一皮剥けた新しい響きのするものになった。
そしてたくさんの友人と過ごす時間、美味しい日本の食事やお酒などを堪能したが、何よりも「家族」の温かみを感じることができた。実家に帰れば家族が待っている、こんなに幸せなことはない。そしてちょうどこの滞在中に兄の結婚式があり、新しい家族をまた一人祝福することができた。これから一生をかけて幸せになってほしいと心から願う。
さてそんな日本でのリフレッシュもつかの間、ドイツに帰れば翌日からリンでの大本番。我が師匠が所属するベルリン古楽アカデミーの演奏会に参加させて頂いている。このオーケストラは「ドイツ3大古楽オーケストラ」のひとつとも言われるオーケストラで、今回のプロジェクトは「J.S.バッハ:マタイ受難曲」である。何を隠そう、この本番が私の初マタイ受難曲、初の師匠との共演なのでドキドキものである
初めて世間的に一流と言われるオーケストラの中で演奏したが、さすがDSCN1458一流の音楽家たちはリハーサルから全力で臨んでくる。全力と言っても決して力んだ緊張感の事ではなくて「全力の音楽性」の話だ。持っている力を惜しげもなく音楽に注ぐ姿勢は、さすがだと思った。そしてこのような若い学生が混ざっていることはいささか恐縮ではあるが、メンバー達は私の事を優しく親切に迎え入れてくれて、私が緊張しすぎない雰囲気を作ってくれた。本当に感謝することばかりである。

マタイ受難曲はベルリンとミュンヘンの2公演で、明日はミュンヘンの名門ホールで演奏させて頂ける。この素晴らしい瞬間を噛みしめたい。