ベルリンの夏はどうやらもう過ぎ去ったようで、すっかり秋の香りがしてきました。
そんな過ごしやすい気候の中、最近は音楽家にとってはオフシーズンということでゆったりとした日々を過ごしています。時間をしっかり使って基礎練習をしたり、リードについて研究したり、身の回りを整理整頓したり…時にはこういう時間も必要だなとつくづく感じます。

さて、そんなゆったりした日々の前は大きなイベント、国際古楽コンクールを受けにベルギー・ブルージュまで行ってきました。このコンクールは古楽を志す者にとって登竜門のような存在。数々の著名な演奏家がこの門を潜り抜けてきました。
今回はの対象は「旋律部門」ということで、オーボエ以外にも、フルート、リコーダー、ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバがひとつの部門として一斉に競い合います。120人を超える応募者から最終ラウンドに残るのはたった5人。とても狭き門です。
応募者が多いこともあり、一次審査は4日間に分けて行われました。私の出番はなんと一日目のトップバッター。なんと籤運の良い事でしょう!緊張感はあったと言え、実力通りの演奏はできたと思っています。しかし残念ながら二次審査へは選ばれることもなく、後はみんなの演奏を聴くのみ。様々な価値観やセンスを持った審査員がいる中で、ひとつの楽器で優劣をつけるのも難しいのに、ここまで幅広い種類の楽器を比べるのはほぼ不可能なことで、審査員もとても苦労している様子でした。
結果は残念だったものの、今回コンクールを受けたことでとても大きい利点がありました。それは本当に多くの魅力的な奏者、それも私と同世代の頑張っている奏者と知り合うことができたということ。みんなそれぞれ本当に素晴らしい演奏をするのです!そんな中でも私にとっては特に、かねてから一緒に頑張っている日本人の友人たちの熱演を聴けたことはとても嬉しい事でした。これから先、共に志高く演奏活動ができることを考えると、ワクワクしてなりません。

最終選考に選ばれたのは韓国人のリコーダー奏者2人とドイツ人のリコーダー奏者1人、そしてロシア人のヴァイオリン奏者2人でした。その中でもリコーダーの韓国人一人はベルリン芸術大学のクラスメイト!彼はとても良いセンスの持ち主で、さらにとても勤勉。しっかりコンクールの準備をしているのも良く知っていました。結果は2位!1位はロシア人のヴァイオリン奏者でした。しかしながらクラスメイトとして応援していたせいか、私個人の意見としては明らかに彼の演奏が光って見えました。その分1位に輝いたロシア人の事を、素晴らしい演奏をしたにも関わらず悪く言いたくなったり…そんなところがコンクールの嫌なところです。

そんな私にとっては少し特別なイベントは、自分と向き合うきっかけになったことは間違いありません!9月からまたたくさんの演奏する機会を頂けています。気を引き締めてしっかり頑張ります!