気が付けば2017年が始まってもうすぐ3か月!新年のご挨拶をしようと思いつつも、なかなかブログを更新できずに時が経ってしまいました。またもや日本行の飛行機を待つパリの空港にてこのブログを書いています。

ブログを更新できなかった間も本当にたくさんの事があり、その間に少しは成長していることを感じずにはいられなく、すべて紹介したいところですが、今日はその中でも私にとって大変良い経験になったこの2月の「CDのレコーディング」について書きたいと思います。

ちょうど2週間前、私はベルリンの教会にて室内楽のレコーディングと必死で向き合っていました。曲はあの大バッハの息子、ヨハン・クリスティアン・バッハの「6つの4重奏曲」で編成はオーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロという小さな編成。メンバーは皆ヨーロッパ、いや世界で活躍する音楽家たちで、特にヴィオラ・ダ・ガンバのトーマス・フリッチュは2015年になんとあの大作曲家テレマンの「ヴィオラ・ダ・ガンバのための12のファンタジー」の楽譜を発掘して一躍有名になったとても素晴らしいガンバ奏者・音楽学者。実のところは私の師匠がオーボエ奏者として予定されていたようでしたが、なんとその代打として私にお声がかかりました。このようなメンバーと共演できることを本当に嬉しく思いましたが、それに加えて今回とりかかったJ.C.バッハの「6つの4重奏曲」もまた、今年トーマス・フリッチュが新たに改訂、そして出版する珍しい曲で、これまで録音されたことはおそらく無く、ほとんど演奏されて来なかった曲なのです。このような歴史的な発掘の現場に立ち会うことができたことも、なかなか経験できることではなく、なんだか時空を超えてJ.C.バッハと仕事をしてる気にすらさせてくれました。

レコーディングは4日間かけて行われましたが、なんとほぼ毎日10:00-19:00(お昼休憩1時間)という過酷なスケジュールで、普段演奏よりもリード作成にばかりの毎日を過ごしているオーボエ奏者にとっては、体力的にも精神的にも非常に厳しいものでした。特に今回のレコーディングで使用した楽器は去年の12月に出来上がったばかりのクラシカルオーボエで、楽器にとっても限界に近い状態での録音になりました。
レコーディングというものは基本的にトーンマイスターと呼ばれる、音楽を熟知した録音技師によって進められ、最終的には彼の選んだカットを繋げてひとつの音楽にしていきます。つまりひとつのカットの中に彼の気に入らない音が入ればもう一回。音程が安定していなければもう一回…。非常に骨の折れる作業なのです。やっとのことで彼のOKが出て6曲すべてを録音し終えた瞬間には、気が抜けて椅子から立ち上がれないほどでした。

しかし録音を終えた今はCDの出来上がりを楽しみに(そして少しドキドキしながら…)待つのみです!このCDは今年の5月か6月頃には出来上がる予定で、そのタイミングで6月にはあの有名なライプツィヒ・バッハ音楽祭でのJ.C.バッハ「6つの4重奏曲」全曲演奏会が予定されています。こんなに光栄なことはありません!

改めて共演者に感謝したいと思います。Vielen Dank Euch!! 写真はヴァイオリンのDaniel Maria Deuterによるもの。
さて、これから日本行の飛行機に乗り込みます!