BCJ 2015-06またもやパリの空港からの投稿。先週の私にとってのバッハ・コレギウム・ジャパン/デビューコンサートを終えて少しすがすがしい気持ちで再びこの空港にいる。

私にとってとても大きなステージだったバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏会は大成功に終える事が出来たと言いたい。この数か月ずっと準備を重ねてきたことはすべて役に立ち、メンバーからも歓迎してもらえた様子だった。これほど嬉しいことはない。背伸びすることも、謙遜することもなく、今の自分のすべてを出し切った本番だった。そこで生まれる達成感、そしてどうしても思ったようにいかない「課題」という物は、私にとっての大きな財産だ。
私は日本でバロックオーボエを始めたが、経験を積んだのはほとんどヨーロッパでの2年間である。今ドイツに住んで演奏活動をしているという事もあって、今回のバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)はとても新鮮だった。例えば私が唯一共演したことのあるドイツ三大古楽オーケストラのひとつ、ベルリン古楽アカデミー(アカムス)とどこか大きな、明らかな違いがある。アカムスもBCJも、世界を代表する古楽オーケストラだが、そのキャラクターや音楽の作り方は全く別物。具体的に言うと、テンポや躍動的なリズムから生まれる、ノリや色彩感豊かな音色、そしてこれでもかと言わんばかりに充実したバスから生まれる全体の立体感が魅力のアカムスに比べて、BCJはとても几帳面なオーケストラで、完璧で妥協を決して許さない音程やフレーズの取り方から生まれる、まるで「水彩画」のように澄んだサウンドが魅力的である。そして合唱の迫力やバランスも確実にBCJのサウンドを司っている。まさに「日本人」のオーケストラである。

「どちらが良いか」などもちろん簡単に言えるものではないが、ひとつ言える事は、これから先、ぜひ「日本人として」の西洋音楽の発展とは何か、という事に注目していきたい。ヨーロッパで学ぶべきことはまだまだありそうだ。