5月末から2週間ほどブレーメンを離れて、色々なところに行っていた。その期間とてもいい経験をしてたくさん書きたいことがあるので、いくつかに分けて報告したい。

まず一つ目の用事はゲッティンゲンでの医大オケ指導。まさかドイツで指導をするとは思ってもいなかったし、ドイツ語でレッスンができるものなのかとても心配だったが、オケのみんなはとても優しく、お医者さんの卵なだけあって頭が柔らかく、どうにか楽しい時間を過ごすことができた。日本のオケでドイツ人が指導に来る事は少し想像がつくが、今回は全く逆。ドイツ人のオケで日本人がベートーヴェンを指導するというなかなか興味深い瞬間だった。それにしても「上手に演奏する」のと「上手に演奏させる」のは大きな違い。指導法というものをもっと学びたいと思った。
さて医大オケの合宿が終わると、ミヒャエルシュタインにユースバロックオケのエキストラ。このオケはヨーロッパ中から集まった10代~20代の若者によるるオーケストラで、正団員を置かない参加型のオケ。そしてプロとして活躍する奏者たちが指導にあたり、数日間の合宿を経て演奏会を行うというもの。
ミヒャエルシュタインには去年の夏に講習会で行ったことがあり、ドイツ語漬けの毎日を送った事や、たくさんの自然の中で古楽を学んだことなどの思い出がよみがえった。今回一緒にオーボエを吹いた仲間はクレモンというブリュッセルで勉強している年下のフランス人。とても優しく親切な人だった。しかし一緒に楽器を吹いてみるとスタイルの違いや考え方の違いで合わせるのが簡単とは言えなかった。ドイツの音楽では必ずフレーズの中に目的地を作り「方向」を持って音楽を構築していくことが多い。それに比べてフランスの音楽では華やかな装飾やフランス語のニュアンスのようにDSCN1896語尾を言い切らなかったりと、音楽的な違いがはっきりとある。そんな違いに戸惑いながらも少しずつ寄り添って行けたと思う。二人で色々な話をしたことや、遊びでデュオを演奏したことなどが無駄になっていなかったようだ。
数日間のリハーサル期間を経てバスでコンサート会場があるレーゲンスブルクというミュンヘンの少し北に位置する町へ移動。ここはドナウ川が流れるとても素敵な町だった。(続)