ドイツ留学から完全帰国して約1ヶ月半ですが、いまだに時差ボケが抜けません・・・

と言うわけではなく、先週までの2週間半またヨーロッパへ行っていました。完全帰国したもののまたすぐに住みなれたドイツの空気を吸うと、なぜか「懐かしい」という感情ではなく「あぁ、また現実に戻ってしまった…」というどっちがホームかわからないような不思議な感覚があります。しかしきっとそんな贅沢なことを言えるのは人生で今だけで、半年後にはドイツが懐かしくてたまらなくなる事は間違いありません。

今回はバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)のツアーに参加させて頂いて、オランダ(フローニンゲン、アムステルダム)・フランス(パリ)・ドイツ(ライプツィヒ)の3カ国へ行って参りました。オランダ、フランスでは古典プログラムと言う事でモーツァルトのハ短調ミサ曲、そしてハイドンの交響曲を演奏。これまでBCJではバッハをはじめとするバロック時代の作品を中心に取り組んできましたが、ここ数年ではモーツァルトやベートーヴェンなど古典時代の作品にも手を広げています。しかし私にとってはBCJで古典の音楽を演奏したのは初めてのことで、とても新鮮な気持ちで、楽しみにしていました。今回のツアーで実際に演奏してみたところ

、バッハを演奏する姿勢とはどこか違う、さらにフレッシュでスピード感がある音楽に仕上がり、鈴木雅明氏や他のメンバーの素晴らしさを改めて実感するのはもちろん、ハイドンやモーツァルトが当時どんな創造力やモチベーションで音楽と向き合っていたか、とてもよく理解することができました。

ライプツィヒではまた時代が戻り、BCJが特別敬意を示す、バッハの作品。この時期のライプツィヒと言えばピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが、去年私も初めて参加させて頂いた、バッハ音楽祭。この歴史ある音楽祭に2年連続で参加させて頂ける喜び、そして中学生の頃からの夢だったあのトーマス教会での演奏会ということで、私にとって大変貴重な体験でした。トーマス教会と言えば、私が初めてドイツに行った大学3年生の夏、敬愛するバッハを感じる為にライプツィヒに行きトーマス教会での礼拝に参加し、そこで聴いたオルガンの荘厳な響きに涙したのを今でも鮮明に覚えています。これがバッハが聴いていた響きなのかと!

そしてライプツィヒで宿泊していたホテルの隣にあった古本屋で、こんなものを見つけました!(写真)
これはなんと1950年、1951年に行われたバッハ音楽祭のパンフレット。もちろん当時のものです。333年に及ぶバッハの歴史からすれば大したことではありませんが、約70年も昔にも今日と変りなくバッハをこよなく愛していたドイツ人を身近に感じる事が出来て、なんだか嬉しい気持ちになりました。ちなみに1950年の音楽祭当時はあのカール・リヒターがトーマス教会のオルガニストで、1951年の音楽祭はライプツィヒではなくブレーメンで行われていたという新たな発見もありました!

今回もそんな素晴らしい経験をさせて頂きましたが、日本へ帰ってから1週間経ったというのにまだ時差ボケに苦しんでいます。毎朝5時台に目が覚め、夕方にはふらふらになる毎日…来週からは演奏会や録音などやる事はたくさんありますので、早く治して元気いっぱいで取り組みたいと思います!