DSCF1719気が付けばもう11月も終わり、北ドイツではもうもちらつき、一気に本格的に冬の景色になってきた。

幸せな事にオーボエ奏者の私は11月から年越しにかけて、とんでもなく忙しくなる。毎週土日は確実にドイツのどこかで演奏会があり、平日はその本番のための練習、リード作り、来年日本で行う演奏会関係の事務作業、それに加えて学生なので少なからず授業もある。はっきり言って頭がパンクしそうだが、同時にひとつひとつこなしていく感覚は少しゲームに似ている。そして演奏会を終える事に自分のレヴェルや価値観が向上している事に気が付く。こんなに幸せな事は他にありようがない。本当に嬉しい。

そんな嬉しかった本番のひとつに、先週末にベートーヴェンの故郷ボンで行われた演奏会がある。これは私の師匠の夫でヴァイオリニストのDaniel Deuterがコンサートマスターを務める古楽オーケストラ「BONNBAROCK」の演奏会でバッハの教会カンタータを中心としたプログラム。その中でもメインプログラムは教会カンタータ131番だった。この131番というのはオーボエ1、ファゴット1、弦楽器、通奏低音+声楽ソリスト、合唱という編成になっていて、20分以上もの間ずっと息をのむように美しいオーボエのオブリガートソロが続き、ほとんど合唱付きのオーボエ協奏曲といった具合になっている。ボンの美しい教会でひとりオーケストラの中で立ち、この素晴らしい音楽の中でソロを奏でている間は、本当に夢のようなひと時である。終演後も数々のお客様・共演者から嬉しいお言葉を頂き、とても幸せだった。こんな経験を糧に、またさらにレヴェルアップしていきたい。

翌日ベルリンに帰るまで時間があったので、もちろんベートーヴェンの生家(今は博物館になっている)に立ち寄り、彼の楽譜や楽器、補聴器や遺書を見てベートーヴェンを少し身近に感じる事が出来た。写真は中央広場に立つベートーヴェン像。広場はもうクリスマスマーケットで賑わっていた。