DSCF170610/14~16までの二泊三日でベラルーシの首都ミンスクに行ってきた。今回の旅の目的はもちろん演奏会。嬉しい事に再びベルリン古楽アカデミーと一緒に演奏させて頂いた。

さてベラルーシという国、私は恥ずかしながら実際に行くことになるまでは場所すら良く分からなかった。ドイツではWeißrussland(白ロシア)と呼ぶのが普通で、この国出身の友達からドイツ語で「出身はWeißrussland」と言われるたびに「…恐らくロシアの一部で白ロシアと言うのだろう」と思っていた。(日本でも「白ロシア」と呼ばれていた事もあったようだが。)
実際に行くことになりインターネットで調べてみると、どうやら古く昔に「ルーシ」と言う地があり、のちに「黒ルーシ(現在のモスクア周辺)」「赤ルーシ(現在のウクライナ周辺)」「白ルーシ(ベラルーシ)」という名称が生まれ、その中で白ルーシ(ベラルーシ)のみが国名として残ったそうだ。(ちなみに色は方角を表す。)
そんな興味深い国、ベラルーシはアメリカで定義された「悪の枢軸」の一国でもあるだけに、どこか危険な恐ろしいイメージがあったが、入国には特別なビザが必要だったり、とても厳重な警備がなされているようだった。

さて、実際に入国してみると国や人の雰囲気が良く分かる。第一印象としてはイメージ通り、灰色の大地に廃墟のような古い建物が目立つ。その中でも新しい近代的な建物もどんどん増えており、その「くすんだイメージ」をどうにか取り払おうとしているようにも思えた。街中ではベラルーシの国旗である「赤と緑」をよく見かける。10月半ばのベラルーシはベルリンよりも少し暖かく青空が広がっていたが、空気はとても乾燥していた。そしてホテルの部屋から見える朝日はとても燦燦と明るく、ヴェネツィアで見たそれとは全く違うが、ベラルーシの人々の生きる精神を刺激しているように感じた。

演奏会について書くと、今回のテーマは「水上の音楽」で、ヘンデルの有名な水上の音楽はもちろんの事、テレマンの水上の音楽や活き活きとしたアカムスの魅力が存分に楽しめるプログラムとなっていた。決して大きくはないミンスクのフィルハーモニーは満席で、老若男女演奏を真剣に聴いてくれている様子だった。そして終演後は例によって観客総立ちの拍手喝采。(この全員のお客様が立って拍手してくださる感覚は、私はまだアカムスでしか味わったことが無い。)拍手をするお客様の顔からは、心から楽しんでいるのが良く読み取れた。その感覚は先ほど書いた「ベラルーシのイメージ」とは随分違う物だった。

私にとって謎が多いベラルーシ。お土産には国産のウォッカも買って、今までに増して興味深い国となった。